
『ももたろう』
松居直:文
赤羽末吉:画 福音館書店
日本人であれば、誰もが知っているお話「ももたろう」。語る人、絵本によって、ちょっとお話が違う部分はあるものの、「おじいさんが山へ、しばかりに、おばあさんは川へ洗濯に、…」ではじまり、きび団子、イヌ、サル、キジ、鬼退治というお話を一度は聞いたことがあるのではないかと思います。私がこの絵本の好きなところの一つは、オノマトペ(擬音)です。例えば、ももが流れてくる様子は、「どんぶらこ」ではなく、「つんぶくかんぶく」、ももが割れる音は「パッカーン」ではなく「じゃく」…絵本を子どもたちに読む前にはどんな風に読むとよいのか?何度か練習をしたりしました。すると、この言葉(?)が心地よくなってくるから不思議です。よい絵本を選ぶ1つの指針として「成人式を終えた本」という言葉があります。(福音館書店『絵本の与え方』松井直)。この絵本は、1965年発行。つまり50歳をとうに超えています。そして、なによりこの翠松保育園と同い年なのです。50年以上絵本と翠松保育園がたくさんの子どもたちと過ごしてきた歴史を感慨深く、絵本の最後のページを見て感じていました。*ちなみにこの「ももたろう」。鬼退治の後、宝物はもらって来ませんでした。